学生Blog◆No.217 嵐のヒッチハイク日誌2

学生ブログ1/27〜2/2担当の心理・人間文化専攻1年・山本嵐です。
先日の更新に続く形で、親友と僕の2人で敢行した
「ヒッチハイク6日間の旅〜西へ東へ〜」について書いていきます。
今日は第二部です。第一部については、前回の更新内容をご覧下さい。
では、長いですが、どうぞヨロシクお願いします。

湯の都群馬県から食の都大阪府までヒッチハイクだけで行き、
帰りも群馬までヒッチハイクだけで帰ったろう!な旅が始まってからもうじき24時間。群馬で半日かけてようやく一台目の車に乗れた僕らは、現在神奈川県の某SA(サービスエリア)にいる。「よし、ここから、一気に名古屋くらいまで行けたら最高だな!」などど軽口を叩いていた僕らの前に現れたのは、なんとそのものズバリ名古屋ナンバーをもった車だった。歓喜に包まれた2人は早速ドライバーと交渉。そして見事に玉砕する。しかし、僕らもここで引き返す訳にはいかない(いや、そもそも引き返すにも車が要る)のだ。譲歩とジェスチャーをまじえ、再交渉に臨む。5分程の交渉が何十分にも感じられた。そして、なんとか、交渉成立。「途中までなら」車に乗せてもらえることになった。

わあ!群馬を出発してからまだ24時間たっていない!
しかし、この時点で僕らの愛知県行きはもう約束されたのだ。ペースが早すぎないか?どうやら僕らは、偶然やら運やら何やらと共に大阪向かっているようだ。大阪では友達が待っている。2台目のドライバーは、1台目同様に出張帰りのセールスマンだった。しっかりとスーツをきめている。その人は、ほぼ毎週末出張で神奈川〜愛知間を行き来しているらしかった。運転は終始120キロ台を堅実にキープしており、「高速の猛者」と呼ぶにふさわしい。車内では、お互いの身の上話をしたり出身地の話をしたりした。一見生真面目そうな人だったが、意外にもフレンドリーで気づいた時には打ち解けていた。途中、一度の休憩をはさんだ。静岡県の某PA(パーキングエリア)で降りた3人は、足早にトイレへと向かい一件落着した。車に戻る途中「何か飲む?」という天使のささやきが聞こえたような気がした。そして、僕らは飲み物を御馳走になった。あの時の、熱いジョージアの缶コーヒーは忘れられない。最高のブラックコーヒーだったのだ!

コーヒーを飲みつつ車の中で時計をみると、なんと23:30だった。
神奈川のSAを発ったのは20:00前後だったから、なんだかんだ僕ら3人はもう3時間弱も一緒にいた。さらにさらに、当初「途中までなら」と言っていたドライバーだったが、なんと最初の交渉で僕らが持ち出した名古屋圏内まで連れていってくれるようなのだ。そのことに気づいた時には、もう次なる舞台(愛知県の僕らが降りるSA)は目前だった。無事到着し、お礼をいい、恒例の(1台目の車でもそうだった)37枚撮り即席カメラで記念撮影をした。

祝・愛知県入り!
時計をみると、今日が今にも終わろうとしていた。僕ら2人は、重い疲労を感じつつも、一日目の進み高を振り返りながら一定の満足を得ていた。そうして、答えのわかりきっている撃ち合わせ(打ち合わせ)をした。結果、今日はここで寝る!ことになった。「ここ」とは、愛知県の某SAのお手洗いの前の休憩ベンチの上のことだ。トイレは近いし屋根はある以上、願ってもない寝床だった。そのへんを歩いていたオジサンに声をかけ、僕らはお互いの写真を撮ってもらい、すぐに寝た。こうして、ヒッチハイクの旅は一日目から波瀾万丈のうちに幕をとじた・・

翌朝の腹ヘリは異常だった。
ありがたいことに、そのSAにはコンビニがあった。僕らは、起床、トイレ、飯、という最短経路を経て朝食にありついた。事前の取り決め『ヒッチハイク鉄の掟』で定めた通り、僕らの食費は一人1日1000円までだ。つまり、朝食にあてられるお金は300円弱。僕らは、その300円でカップヌードルを買った。それも量の多そうなやつだ。生きるためには仕方ないのである!お湯を入れて3分、ではなく、お湯を入れてから5分待った。少しでも腹持ちを良くするためだ。こんなチマチマした工夫・作戦・自己満足が、ヒッチハイクを乗り切る上では超重要なのだ!

腹も満たした所で、早速次の車探し。
貧乏暇なし!とはこのことかぁ、とつくづく思った。3台目の車はこれまた意外とすぐに見つかった。この時僕らは、スケッチブックに油性ペンで「〇〇SA」とデカ文字を書いて掲げる作戦にでていた。SA駐車場の隅に2人で突っ立ってこのデカ文字を掲げること45分、一台の車が接近してきた。なんと、すぐに乗せてくれた。柔和な面持ちの仲の良い夫婦だった。これぞ気持ちの良いヒッチハイク!「ひゃっほう!!」僕らは少年のような声をあげて車に乗り込んだ・・

このあとも、順調に4・5・6・7台とスーパーな車たちに恵まれた僕ら。
4台目では男性ドライバーの通称・かみかみさんと出会った。即座に意気投合し、連絡先を交換するほど仲良くなった。5台目はなんと20代の女性!美人な上に凄い肝っ玉だなぁと内心驚いていたら、京都の方らしく、何となく頷けてしまった。6台目の男性ドライバーはビジネスマン。これまた驚き、僕らの地元にも進出している某派遣会社の取締役だった。僕らは、社長夫妻の出張車に乗り合わせたのだ。7台目は、大阪出身の男性釣り人ドライバーだった。その日は釣りの帰りらしく終始満足げな表情だった。ちなみに、この釣り人ドライバーの運転によって僕らは無事目的地・大阪府吹田市に到着したのであった。友人宅まで後少しだ!

行きは、7台の車と9人の人にお世話になったことになる。その中で僕らは、本当に魅力的で笑ってしまう、しかしそれ以上に偉大である猛者たちの金言をいくつも頂いた。そう、見ず知らずの人との大胆にして繊細なコミュニケーションこそ、ヒッチハイクの大きな醍醐味の一つだったのだ。そこでは、様々なことを真剣に考えさせられた。自分のこと、他人のこと、社会・環境のこと、今までのこと、今のこと、今からのこと、等だ。(具体的なことは控えさせて下さい。言わぬが花!)

「なんてこったぁ、本当に大阪まできちまったぁ」
笑顔の釣り人ドライバーと別れの挨拶をかわした僕は、そんなことを思っていた。ここから先は隣にいる親友の記憶をたよりに、歩いて友人宅(下宿・今晩の御宿)まで行くことになる。昨夜、愛知のSAで連絡をいれて以来その友人とは連絡をとっていない。スマホのバッテリーなどとうに尽きていたのだ。現在の時刻は22:00を少し回ったところ。今晩の御宿の状況はさっぱりわからぬが、ひとまず行くしかない。そうして、僕らは大阪の感動的に美味しい空気を胸いっぱいに吸い込みながら、夜道を楽しく歩いた・・

(ふぅ、疲れたのでここまでにします。続きはまた後日。ここまでありがとうございました。また書きます)

【次回予告】
「うわぁ!ちょっとまって!(3人で大爆笑)」
目的地である食の都大阪の友人宅に無事到着した僕ら。
しかしそこは、地元群馬では考えられないような別世界だった!
行ったら潰れていたタコ焼き屋、激ウマ中華料理屋での晩飯、商店街のTHE銭湯、謎の食い物オジ焼き・ベジ焼き、群馬産コンニャクとの遭遇、大阪ギャルのタコ焼き屋、大阪産自称二郎系リスペクトラーメン、やね婆さんとの粋なひととき・・など次回第3部は大阪風盛りだくさん具だくさんな内容です。どうぞよろしく。

(ヨッシー、ホリ、お世話になったドライバー、来年度ヒッチハイクをする”まっすー”の友達、共愛の全学生へ)

作 山本 嵐 (心理・人間文化コース1年/前国編集部記事担当/野村・基礎ゼミ)